れびゅー7:鈴木博毅『超入門 失敗の本質』
[amazonjs asin=”4478016879″ locale=”JP” title=”「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ”]やばいやばい、シンガポールに引っ越す前に本棚の本を処分&整理せねばと焦る焦る。。。
日本人としてどうシンガポールでビジネスできるか、考えたくって読んでみた本。
WW2をベースに日本軍とアメリカ軍の戦い方を比較・分析をしている。
勿論ベースとなっている本がある(『失敗の本質』)のでそっちを読む必要があるけれど、ざっくり理解するならこっちでOKかと。
戦略とは『目標達成につながる勝利』を選ぶこと
日本軍は目標達成につながる勝利が少なかったという事実から。シンガポール、インパール(インド国境)、タイと
小国ながらずんずん進んで占領地を拡大させていったけども、特に南太平洋にフォーカスすると、そこには25の日本軍の駐留地を設営。
でもその後アメリカ軍が占領して軍として機能化させたのはたった8拠点で、残りは全て無力化させて放置させた話。
なのでアメリカ軍からするとゴールである『日本の敗戦』に一番近い道を辿るならば、その8拠点抑えれば良かったとも言い換えられる。
その代わりその8拠点の占領のために力をおもいきし注ぐというか。
逆に言うと残りの17拠点を占領してバンザーイしている日本軍は勝つべき勝負がどれなのか理解していないとも言えるので、
大局的に戦争を見れておらず、ただ占領のみという小勝利を重ねているに過ぎなかったって話。なるほど。
体験的学習や偶然による指標発見は、いずれ新しい指標(戦略)に敗れる。勝利体験の再現をするだけでなく、さらに有効な指標を見つける事が大切。競合と同じ指標を追いかけても、いずれ敗北する
艦隊決戦、白兵銃剣、などなど一度成功した戦略があると日本の場合はそこ一点突破で向かい、全面展開に運んでいた話。
なぜうまくいったのか、指標発見の分析をうまくできないまま進むので、そもそもその戦略が本当に正しい戦略なのかわからぬまま進んでしまう。
その間に零戦対策やレーダー開発などゲームチェンジされて指標を変えぬままアメリカ軍にズドン。ビジネスにも十分当てはまると思う。
これを読んだ時に感じたのが、成功事例の共有。よく日本の会社である話だけれども。
『こんなケースつくりました、横展開よろしく』と声高々に発表しているのが、どうも一点突破からの全面展開に似ている気がする。
確かに新しいケースをつくるのは大事な事であるけれども、『なぜそのケースがつくれたのか』、『どうすれば横展開できるか』、
成功指標を理解している人がしっかり横展開すれば成功するかもしれないけれど、理解していない人が横展開して理解できない人が対応すると
ただ単に機械な営業が機械的に営業をして『こんなことできるよ』と自信満々に言ったとしても顧客に『で?うちに必要?』と返される。
ほんじゃあどうしたらそんな事が起きないようになるかというと、営業という組織が抱える営業戦略、支える戦術(成功事例の共有含む)、
も大事なんだけども、最後は実行を支えるメンバー一人一人が目標達成のための(自分で考え抜いた)戦略を持っているかだと思う。
これ去年本田圭佑が日本代表の記者会見で『最後勝負を分けるのは個の力になる』と言ってたのと近いニュアンスかもしれない。
そうなるともし同じシーンで例えるならば達成までの道筋に必要な武器だと理解できたら情報を蓄えるし、必要でなければきっぱり捨てるはず。取捨選択できるはず。
しかも必要だと理解したらその武器をうまく自分と顧客向けにカスタマイズしてしまう、そんな感じ。
じゃあどうすればそんなメンバーを育てられるかと言うと、、、人材育成の話になってくると思うけど、
最近『どうすれば最強チームを作れるか?』にちょっと興味があるので、色んな意見を聞いてみたいと思う。
効率化とコスト減を行うために営業が簡単に営業できるようなシステマチックな組織をつくろうと色んな会社やってるだろうけど、
有意である手があるのと同時に結構ノイズ(逆効果・みんな考えなくなっちゃう)としても存在する手があるのは事実だと思うし、
そんな中でもしっかりと考え抜けるメンバーを育て上げるのって結構難しいかもなー、とふと出て来た新しい疑問。
ちょっと長くなってしまった。。。
日本の伝統とその継承についても書かれていて、指標が変わっているにもかかわらず過去の伝統を重んじて指標を変えずに戦うケースについて書かれていたんだけど、、、
この前シンガポールに行った時に某リクルート社の人と話す機会があり、そこでの体験を思い出した。
『僕、旧社訓にある江副さんの言葉が好きで、自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよって言葉、ほんと良い道標になってるんですー』
なんて話すやいなや、『え?でもこっちはシンガポールオフィスだからよく分かんないんだよねーははー』みたいなリアクションだった。
要は上層部は本社から来たそのマインドを継承している人間だけど、現地採用はその血が無くってよく理解してないんだーとのこと。え?
確かにマレーシア人担当者がよく理解していないのはともかく、日本人担当者までそんな感じだったんだけど、どう解釈すべきか。。。
自分の中では会社のビジョンや理念は勿論、その会社の幹になる部分(社訓)って継承すべきものだと思ってたんだけども、
採用方法、採用場所が異なるだけで、そんなに薄まっちゃうのかな。そんな言葉があるからこそ一致団結して戦える気がするけども。
どうなんだろ?例えば逆に自分がオランダの外資系のシンガポールオフィスで働き始めたとしたら、同様の事が起こりうるのだろうか。
んー。また疑問ができてしまった。色んな人に聞いてみよう。