フランクフルトで1年を振り返る

社会人として丁度10年目、シンガポールから帰国して今の会社で1年経過、自信をもって10年間で1番濃い1年だったと言い切れる。この1年有休休暇を使う事が殆どなくて、結局会社の年末シャットダウンにてドイツはフランクフルトでグダグダ中なんだけど、前回は生活についての整理が中心、今回は仕事を中心に整理していこうと思う。

①まずは仕事をしまくる、とにかくしまくる
シンガポールにいた時にとある知人が「入社したら3ヶ月間は誰よりも働け」とアドバイスくれたり、1社目の先輩は「20代はとにかくバッターボックスに立ちまくれ、そのために仕事しまくれ」とアドバイスくれたり、ハードワーキングのススメみたいなのを頂いたんだけど、10年4社目の今回で「こりゃ間違いないな」と確信できた感じ。入社すると会社の理解に始まり、人の理解、製品の理解、マーケットの理解… も大事だし、社内のプロセス理解(あまり得意じゃないとこ)も大事だし、1番全体を理解する(=自分で走れる)ためには仕事をしまくって(量)、一通りの経験をするのが自分を立ち上げるのに大事なんだなっていうのが理解できた。ゴールデンウィークまで4ヶ月半全体を理解するのにキツかったな…というのと、反省点は現状分析を怠ってそのまま走っちゃったので(加えて、立ち止まる余裕ないまま一気に仕事でぐちゃぐちゃになった)、プランニングがズタボロだったという事。初めの3ヶ月で土日使って1度立ち止まってデータでどうやれば成功するかしっかり現状分析をすべきだったなと思う。その反省は次の環境で活かさねば…

②ビジョン・ミッション・コアバリューを大切にする
今まで大企業でしか働いた事が無かった中で、この3つの重要性は強く感じた。1社目はビジョン・ミッションは社長からのメッセージが非常に強くクリアだったけど、コアバリューは当時はあったかな?といった感じ。いわゆるGoogleっぽいね、Appleっぽいね、がコアバリューに沿った行動をした結果のブランドになると思うけど、ここまで今意識しているのは1人でもコアバリューに沿っていない行動をとると、小さい組織であればあるほどインパクトが大きくて、組織に負の影響を与えかねないからかなと思う。だからこそ採用はコアバリューに沿って行動してくれる(であろう)人を採用する事になるけど、人間限られた時間で人を見極めるって難しいなっていう別の課題もある。自分の中では「アイドル理論」と勝手に名付けていて、恋愛厳禁と謳っているアイドルがスキャンダルになるとアイドルグループ全体に悪影響を及ぼしてファンが減るのと同じで、自分も1企業の代表としてイベント含めて公に出る事が多いので、何は話して良い何は話してはいけないなども含めて言動はかなり選ぶようになったかなと思う。特にコアバリューの1つにPlayfulness=遊び心を大事にするというのがあるんだけど、これは意識せずともいつでも表現できるようになりたいと思っている(心から楽しもうとする)。自分自身がPlayfullnessに疑問を持ってしまうと、やっぱり自分の全ての表現に出ちゃうので。

③友人、友人の友人、友人の友人の友人
日本に帰国してからは、かなり友人に助けてもらっている。10年も経過するとみんな色んな分野で活躍しているので、特定の人を紹介してもらったり(紹介したり)、一緒に仕事をしたり、そもそも分からない事を教えてもらったり、20代の頃には無かった繋がりができるので感謝しながらも色々と繋がる事を楽しんでいる。また基本的に社交性は全くない人で、ネットワーキングみたいなのも時間勿体無いので行かないけど、友人の友人の場合は友人の信頼Certificationみたいなのがあるのと、類は友を呼ぶでほぼ仲良くなるので、そういう所で人の繋がりが拡がっていっている気がする。こういうのが一生の財産になるんだろうなぁ、と思って新しい繋がりを楽しんでいるのかな。

④承認を貰うためにJustfyする
Justificationという言葉はこの1年で何回使った事だろうか(笑)グロービスのクリティカルシンキングや、ヤフーの安宅さんが書かれた「イシューから始めよ」のまんまだと思う。色々と欲しいものや助けが必要な環境だったり、チャンスに恵まれている環境だからこそだろうけど、「なぜなのか?」はいつも準備していたし、準備できないとイエス回答は100%貰えなかった。これから必要なおっきなJustificationとしては「なぜヨーロッパは必要な自分達に必要なマーケットか」、と「なぜ自分はそのマーケットを拡げるのにベストな人材か」の2つ。今の仮説では1つ目のJustificationで破綻して、結局お金を貯めて自分はMBAか何かをきっかけに引っ越すんじゃないかなと思っている。いくら行きたくても、あまり無理矢理なJustificationはつくりたくない。

⑤手段は目的ではない
自分が日本の会社と仕事をしている中で違和感だった言葉は3つ。
「事例を教えて貰えますか?」:組織でHow?を考えられない、自分たちで推進できない、そのためパワー・リソースがかかる可能性が高い
「まずいくらですか?」:組織に必要なものを購入する(必要あらば予算を獲りに行く)ではなく決まった予算で必要なものを購入する組織なため、推進できる力がない若しくは予算の組み方が本質的でない
「ROIは?」:組織でHow?を考えられない、組織の中を自身が理解していない(ROIなんて自分で考えようよ、正確な答えなんて無理だろうけど)
どれも手段が目的化している典型例だと思う。またこういう事を発する会社は少なくとも立ち上げ時期のアーリーアダプターにはなり得ないので、優先順位を下げた1年だった。名著の失敗の本質もそうだけど、日本はこの辺が目的化してしまうのはなんで何だろう。自分の仕事や考え方含めて、こういった経験は反面教師になっている。

⑥本気、必死、覚悟
外資系スタートアップにいても、モチベーションが多種多様だと思う。純粋に立ち上げるのが好きな人、新しい経験を積みたい人、IPOで一発稼ぎたい人、グローバルを維持しながら働きたい人、、、ただ今いるレンタルオフィスで外資系の日本オフィス立ち上げをやっている人たちを見ていると、拡大に伴い引っ越しはおめでたいけど、急に日本撤退通告でなくなるオフィスも見ていたりする。彼らはクビに余儀なくされるわけだけど、明日は我が身な世界なんだってのを改めて感じる事があった。「正しくメッセージを伝えれば、顧客は自然と付いてくる」なんてお花畑・綺麗事を言うにはなれない。シンガポールの頃のような、解雇と隣り合わせの中で、働いて働いて泥まみれになりながら日本の成功を掴み取る感じ、正直あまり働きがいとかやりがいとか贅沢な事は言えるのはまだまだ先かなと思う。

クリスマスマーケットで食いまくれたし、ヨーロッパ内で屈指のラーメン無垢で一杯食べれたし、心も身体もいい感じ。これからサンセバスチャンに向かって、友人に会ったり、ピンチョス食いまくります。

げーしー
  • 2013年から始まった人生ログ。
    自分の振り返りを目的として色々とメモしています。

BusinessTrip

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