シンガポール生活その4:グローバルって何ぞや!?
グローバル企業とかグローバル化とか色々日本のニュースで見ているとちらほら出てくる言葉、何だろうと思って。
日経BPより:真に「グローバル」な企業は、日本に3社しかない
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130816/252317/
”グローバルな企業の条件の1つは、「世界で通用する強みがあり、それを生かして世界中でまんべんなく商売ができている」ことではないでしょうか”
なるほどなー。先週発刊のFOTUNE500読んだときに『あれ?日系企業すごいじゃん!57社も入ってる!』なーんて素人ながら感じてたんだけど、
売上や利益でみると規模は大きいけれども、この枠組みに当てはめるとドドドっとふるいから落ちるんだと思う。
そんな日系企業がみんなグローバル化しようとしていると解釈しました。ITは強いんじゃないかなー。
【多国籍な企業だけどグローバルな環境・企業ではない?】
シンガポールで働くとASEANからの人材が集中する事もあって、規模は違えど自然と10カ国くらいの国籍の人たちと同じオフィスにいる事になる。
インド、バングラ、ミャンマー、カンボジア、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン、中国、韓国、、、
等々、自然と多国籍化してしまう。
でもいわゆるグローバル企業のAPACリージョンヘッド(アジア統括)とかになると50カ国くらいは普通であって、
シンガポールの日系企業で働く限りでは、まだまだグローバルな環境では無いんだなーと感じる事があったり。
ただ勿論、こんなに自然と多国籍となる国はアジアではシンガポールだけだと思うので、
多様な経験ができる事は自分にとって大きな財産になると思う。(そうそう、だからシンガポール選んだんだった!)
特にASEAN諸国からシンガポールに来て働きに来る人たちは優秀な人ばかり。
例えばミャンマーの東大に入って、ミャンマーで一番の銀行で働いて、次のステップでシンガポール来ましたーとか。
国籍のアドバンテージがある訳でもない中、シンガポール政府から就労ビザを取得するくらいとなると、
本当に優秀な人ばかりで勉強になる事が実際多い。
【箱形の働き方、えええ!?】
雇用の際には会社は新しい社員と契約を交わして、契約書に書いてあるミッションに沿って働くのが基本スタイル。
なので与えられたミッションをこなしたら、給与が対価として支払われる、といった形なので非常にシンプルだと思う。
逆にミッションをこなせなかったらクビになったり、降格になったり、プロスポーツと似ている感じがする。
そのミッションを行うための『箱』から外れた事をしないんだなーと感じる時がある。自分にとってはビックリだったんだけども。
『このプロジェクトのフォローをお願いします』とある方に言ったら、『今かかえているプロジェクトが○○件ある、でも私のキャパは○○まで。なので優先順位を決めるので、上司と相談します。』、
日本人的感覚だと『えええ、、、とりあえず箱のキャパ大きくしようよ(残業で何とか終わらせてよー)』と言いたい所なんだけど、
契約書上は○時〜○時までが就業規則なのでやむなし。
また箱に入るかどうかスレスレな所、いわゆる日本人で言う所の『気が利くねー』的な所はやらない気がする。なぜならミッションに『直接的に』関与しないからなのかなー。
無駄がなく、システマチックなのは十分理解できるんだけど、まだまだ慣れない所かなーと思います。
それでも自分自身も含め箱形の働き方に順応させたいなーという思いがあるので、圧縮の仕方は常々考えなきゃです。
マイクロソフトの岡田さんの記事。今回は仕事圧縮の話だけど、いつも参考になる記事ばかりなのでご紹介。
日本の「残業代ゼロ論争」にモノ申す!残業ご法度なシンガポールで面食らった僕 周囲と衝突して学んだ「仕事圧縮」のオキテ
http://diamond.jp/articles/-/56142
【グローバル標準化の難しさを実感】
例えば日本の人気のラーメン店を他国に展開しようとした時に、政治的な問題で機器を購入できなかったり、
賄賂ではじめてテナントに入れたり、規制がかかっていてそもそも参入できなかったり、
人材が国に片手で数える人しかいなかったり、食材を調達できなかったり(or関税高い)、強盗に合いやすくて危なかったり、と
地球は1つといえど国によって全く政治も法律も技術も経済も異なるので、
そもそも儲かる・儲からないの議論だけでなく展開できる・展開できないの話になっちゃう。
僕自身、今はミャンマーの輸入規制とロシア−欧米間の輸入規制に引っかかってちょっと四苦八苦。
日本に居た頃は当たり前のように調達して決まった納期で提供して何事も無く構築して、、、全て『EXACT』な環境で働いていたもんだから、
輸入規制は肩すかしくらった感じがした。でも、そういう『そもそも』な壁が沢山ある事がわかった。
グローバルって自分自身まだよくわかんないけど、一部を体感しているのかもしれない。
シンガポールで働き始めて、新しい発見や学びがあってか、総じて頭の中の地図が少しずつ広がってる気がする。
まあでも一寸先は闇。ミッションコンプリートできなかった時、自分の身はどうなるんだろうという99%の不安と、
なんとかなるんじゃないかなーという1%の自信と希望と、なんだか毎日自分と向き合いながらも自分に打ち克とうとしている感じ。
※プレッシャーもあってか夢の中では刺されたり、噛まれたり、津波に巻き込まれたりと、災難ばかり(涙)
なかなか味わえない環境だし、『今』ASEANで働いている価値ってのもあるし、とにかく前向きに。