GTMの体系化 – その3 今を理解する

写真はいつだかのケルンに出張した時のもの。大聖堂が近くからだと写真の中に収まりきらないので、少し遠目から撮影した時のもの。3回目くらいだったけど、何度見ても圧巻。

・あくまでも今は雑記なため、頭で描いたものをザザザっと記載
・自分の経験はフリーミアムなPLGからSLGへの成長が主な経験のため、Pure B2Bとは差異がある可能性あり
・日本のSaaS GTMに初めて触れる人達向けを想定(特に外資系での日本参入)
・(無いとは思いますが…)無断での転載、複製、改変等は禁止です

1)会社の理解:ビジョン・ミッション・バリュー・ストラテジー・グロースプラン

ここの理解がまず第一となる。会社(CEOはじめマネージメント)の実現したい事は何か?どんな会社でありたいか?実現のために何を優先するか?1-3-5年でどう成長していくか?経営陣が何を考えているか、描いているか、まずはそこからである。日本にマーケットインする際は、まだまだ組織もグローバルで小さく(小さいはず)、経営陣との距離も極めて近いはず… なので早いタイミングでCEO、CFO、CPO、CTO、CRO…どんどんコミュニケーションをとって理解を深める事で、日本のGTMの大前提となる方向性を定めていく。

2)なぜ日本のGTMを行うのか?期待値設定

会社を理解した上で、今度は日本のGTMのゴールを定めていく。もちろん色々とデータを見ていくと、現実的に困難な事も色々と出てくるかとは思うが、まずは会社としての期待値を理解する。1)なぜ日本にマーケットインする事を決めたのか?、2)マーケットインしてこれからどんなグロースを期待しているのか?、3)グロースするためのお金・人は既にあるのか・なければ獲りに行けるのか?、おそらく投資家には説明済で、何らか資料なりドキュメントに残っており、CEO・CFO・CRO(既にいれば)あたりが全体を一番理解しているはずである。これらを理解すると先々もマネージメントと会話する中で共通の認識の上でコミュニケーションができる。

3)データの整理:CRM・請求システム・BI

大体のゴールが見えてきたら、今の現状を把握する。
CRM: アカウント・オポチュニティベースでの現状把握
請求システム: 顧客ユーセージベースでの現状把握(ここがCRMで見えると尚更良いのだが…)
BI: マーケット全体からアカウント単位(トップ10-30アカウント)での現状把握

初期の段階では基本情報があると良く、
・グロース: ARRはどう成長しているか?今後どう推移しそうか?その内B2BでのARRとその比率は(いつまでにどこまでB2Bの比率を引き上げるか?)
・マーケット: 日本のマーケットの中のポテンシャル顧客はどれ程か(TAM/SAM/SOM)?その内、トップARR企業含めて既に顧客はどれくらいいるのか?CRMにいる顧客はどの程度か?ホワイトスペースはどの程度か?
・アカウント: どの顧客が日本におけるトップARR顧客か?XARRまで辿り着くまでに、どれくらいの期間を要しているか?誰が顧客のステイクホルダーなのか?
・オポチュニティ: どういうARR構成か?平均のARRやサイクルはどの程度か?どのプロダクト・プランが売れているか?どこのステージで何につまずくか?

それ以外にも様々なアングルで情報があると良いが、まずは基本的な情報を理解していく。

4)顧客に提供できる価値:Value Proposition・Competitive Advantage

上記のデータの整理をもとに、自社が競合を排して顧客に届ける価値、を明確にしていく。自社のデータやG2CROWDの様なオンライン上での評価からも見えてくるものはあるかもしれないが、一番は自社の製品を使って頂いている顧客から生の声を頂くのが一番である。

背景: 何がペインだったのか?何をきっかけにして自社製品と出会ったのか?
価値: ペインを解決する中で、なぜ自社製品を選んだのか?誰がどんな要件に対して評価して下さったのか?
効果: ペインは解決できたのか?業務の中で具体的にどんな価値が生まれたのか?今後も使い続けたいか・他の組織内外の方々にも自信をもってオススメできるか?
長期的関係: 今後も使い続けるために、どんな事が自社製品の中で実現できると良いか?(期待値調整をしながら)いつまでに実現できると良いか?

お尋ねする顧客インダストリー・部門・役職でも異なる答えが色々と返ってくるかもしれないが、それはそれでCompetitive advantageを含めた大きな価値(Willing to pay)となる。

上記を踏まえて、大枠のプランをつくっていく。

(約1,700字)

げーしー
  • 2013年から始まった人生ログ。
    自分の振り返りを目的として色々とメモしています。

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