GTMの体系化 – その4 優先順位を決める
写真は出張時に娘向けの絵本。ドイツ出張の時はドイツ語、イギリス出張の時は英語、とそれぞれ本屋に行ってキャリーバッグに入りそうなコンパクトな絵本を数冊毎度買っている。英語は何とでもなるけど、ドイツ語はよくわからないので、全て奥さんにパス…
・あくまでも今は雑記なため、頭で描いたものをザザザっと記載
・自分の経験はフリーミアムなPLGからSLGへの成長が主な経験のため、Pure B2Bとは差異がある可能性あり
・日本のSaaS GTMに初めて触れる人達向けを想定(特に外資系での日本参入)
・(無いとは思いますが…)無断での転載、複製、改変等は禁止です
1)やる・やらないの定義:ICP
今の現状を理解して、今度は何にフォーカスするか?を定義していく。ICPはIdeal Customer Profileで、僕らの「今フォーカスすべき」顧客は誰かを指す。
・どの従業員規模か?
・どのインダストリーか?
・どの製品を今は使っているか?
・どれくらいフリー/ペイドユーザーがいるか?
・製品チャレンジは何か?(どういう時に今は優先順位を下げるか?)
・エグゼクティブエンゲージメントは?
・エリアは?
これらを例としたICPをアカウントスコアリングまでできると理想だが、初期のフェーズに実現をする事は難しいので、上記はアカウントの優先順位分けをしてTieringする際と参考にする。尚、グローバルの方針とかけ離れると、それはそれで色々と面倒になってくるため(相当グローバルの方針に疑問がない限りは)、基本はグローバルの方針に合わせながら定義をしていく。
2)日本の戦略の定義
上記の通りグローバルにあるコーポレート戦略、そしてGTMの組織にあるGTM戦略から、カスケードした形でGTMの日本の戦略を定める… と言っても、上記のICPでだいたい50%できあがっている事となる。なぜならGTM・日本での戦略は「何にフォーカスするか?」であり、既に顧客ターゲットの優先順位が定まっているからである。残りの50%はそのICPに集中するために必要なヒト・モノ・カネをカバーしていく事となる。
ICPに集中してトップラインを伸ばすために…
・ヒトの例: どんな人を採用すべきか?スケールさせるためにまず今・1年内に必要な人材は?また採用が難しいのであれば、他の地域・本社から人を臨時で持ってこれないか?契約社員や委託は?
・モノの例: ICPにリーチした時に当たる壁をどう製品で解決するか?プロダクトは解決できるのか・コミットできるのか?解決できる場合はどれくらいの期間を要するのか?
・カネの例: エグゼクティブエンゲージメントのために予算を投下できないか?よくあるCIO系やCDO系のイベントに年4回参加する最低限の予算を確保できないか?
等々、を定義していく。上記の通り実現のために必要なリクエストは明確にする。(逆に、リクエストが通らない事も十分ありうるため、通らなかった場合の軌道修正のカードは常に持っておく必要がある)
3)ゴールへの道筋: Bridge to the target
データの理解、ICPの定義、戦略の定義が終わると、元々のグロースターゲットに戻ってゴールに向けての構造を描く。構造のつくり方はそれぞれだが、例えばIncremental ARRがゴールだった場合、
・新規で見込めるインバウンドをベースにしたRun Rate
・既存顧客への拡大をベースにしたRun Rate
・Big bet: ICPの顧客から見込んだARR
これらは現状理解で参考としたデータを活用しながらリバースエンジニアリングできると更に良い。
・上記を実現するために必要な商談数は?
・更に商談数を実現するために必要なリード数は?
・どのチャンネルを介して、どれくらいのリードが必要か?
ここまで見えてくると、今度は実現するためのマーケティング、SDR/BDR、セールス、CSの必要な活動が見えてくる。
尚、ここでRun Rateの割合が高ければ安定の構造で実現が朧げながら見えてくるが、もし低ければBig betの精度が肝になってくる。故に、今後の内容でも触れるが、今までの話は一度決めたら終わりではなく、常にPDCAを回しながら改善をしていく方が大事になってくる。
(10/4記載: もう少しICPを定義した後のターゲット企業の選定の内容を分厚くする ex. ターゲット企業の選定Criteria <=> ICP, それに対するTiering, 組織内での役割分担…etc)
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